Natsuki_Pen.turn
-Profile-

名前:宮本 夏希(Natsuki Miyamoto)
職業:まちづくり団体(maru-office)インターン生
出身:千葉県
生年月日:1998年8月10日(早稲田大学在学中)
移住した年:2020年6月~
 

-History-

初めて気仙沼・唐桑に来たのは2020年2月。大学の先生に紹介されてやってきました。この時まで東北に来たことが一度もなく、気仙沼に来ることになったのは本当にご縁でした。そもそも先生に気仙沼を紹介してもらうに至ったのには、大学生活・就職活動で感じていたもやもやが関係しています。

わたしが大学生になってからとにかくずっと感じていたもやもや。それは、「何をすべきかわからない。何がしたいかもわからない。」でした。

高校卒業までは、勉強や部活動、習い事など目の前の目標に向かって精一杯努力して過ごしていました。そういう日々が好きでしたが、その目標は枠の与えられた、誰からも認められるようなものでした。だから、何をするのも自由な大学で、価値があるかわからない「やりたいこと」に全力をかけることはとても難しく感じました。大学に入って初めて、何も与えられない状態で、自分の意思で自分の道を決めることの難しさを知りました。

その難しさはすぐには乗り越えられませんでしたが、大学3年になり就職活動を迎えるころにはだんだんと、「これをやるのが正しいっていうことはないんだ。今の自分がやりたいことをやろう」と思うようになりました。そして、自分も、周りの友人も、アルバイトをしていた予備校の生徒たちの中にも、「やりたいことがわからない」と感じている人が多かったことから、今まで自分が受けてきたような教育とは違う、自由に主体的に生きる姿勢を育むための教育や仕事に関わりたいと思うようになりました。

しかし、就職活動で言葉にする「目指したいこと」は、今までの自分ができなかったことを裏返しにしてつくった理想像でした。主体性や協働性が必要だと思いながら、今の自分は実際にはそういう力を持っていない。新しいことや失敗への怖さを感じ、結局「できそうなこと」の中から選ぼうとしているのかもしれないと気づきました。

「せっかく見つけた自分の意思を1つでも思い切って行動に移したい。ただ思ったことを語るだけではなく、実際に経験して、そこから学びや気づきを得たい。そうすればこれからの選択肢はきっともっと広がる。」そんな思いで、魅力ある教育を実際に行う現場でまずは自分が経験しようと考えていたころ、大学の先生から気仙沼を紹介されました。

 
こうして休学して気仙沼に来ようと思ったことは、わたしのそれまでの人生で最大の決心でした。でも、2月に初めて気仙沼に、唐桑に来て、帰る時にはもう自然と心からここに来ようと思っていました。「唐桑の何がよくて来たんだ?」と聞かれるとき、いつも明確にこれが理由ですと言えないのですが、ただただ、ここにいてみたいと思える場所だったというのが理由だと思います。

・唐桑で海を見て、畑で野菜を触って、はじめてお茶っこをさせてもらって、いつのまにか自然体になっていたこと。
・初対面でも、「どういう想いで来たの?」「何がしたいの?」とまっすぐ問いかけてくれて、そして自分はどんな想いがあって気仙沼で生きているのかもまっすぐ伝えてくれたこと。

そんな1つ1つの関わりから、初めて出会った気仙沼の人たちの「生きる」をとても強く感じて、迷いなく、唐桑に来ようと決めました。まず一度気仙沼に行ってみようと決めるところまでは、たくさん考えて決めたけど、最後の一押し、本当の意味での決心は理屈じゃなかったのだと思います。

やっとできるようになってきた、心に素直に選択するということ。その結果が唐桑でした。

 
気仙沼に実際に移住してあっという間に2カ月が経ちました。迷うことも思うようにならないこともありますが、そんな時間も含め、一緒に生きられる人がたくさんいることにも気づきました。出会いとつながりを大切にし、自分とも相手ともまっすぐに向き合う、素敵な「生きる」が溢れる気仙沼で、精一杯、過ごしたいと思っています。

これからどうぞよろしくお願いします。