2月になりました。
唐桑は、いよいよ1年で1番さむい季節。
小中学校ではインフルエンザも大流行しているようです。

寒いのすき!ってひとはあまりいないと思うけど、わたしは寒いのが大の苦手です。
唐桑はだいすきだけど、冬の唐桑は本当に苦手だったんです。

もうすぐ移住して丸4年ですが、4回目ともなると、身体が慣れてきたのもあるし、暖かく過ごすコツがつかめるように。
靴下2枚履き。デニムの下にはももひき。ヒートテック2枚重ね。
効率のいい部屋のあたため方から車の暖気まで、東京にいるときはこんなに暖かさに対して貪欲じゃなかったなあ。笑

でもそんな寒い寒い唐桑も、冬だからこそ楽しめることもあったりして。
今日はわたしがみつけた冬だからこその唐桑の楽しみかたをご紹介したいと思います◎

●新年1発目。
年末年始は実家がある東京で過ごしましたが、帰ってきてまずすることは、シェアハウスの近所のおうちに新年のあいさつまわり。
まずお隣さんちに行ったら、「えまちゃんたちのために準備してたのよ〜。いつ帰ってくるかなって待ってたの〜」とおせちが!
なんと、家族の分とは別に、わたしたちの分をわざわざ準備してくれていたのです。

刺身やらあんこもちも出てくる出てくる〜〜〜
また別の近所のおうちにご挨拶にいったら、五目ぶかしをいただいたり。
みんな「おかえり〜。実家でゆっくりしてきたか?」と声をかけてくれて、新年早々、唐桑のゆたかさを感じました。

●雪も降りました。

そんな朝は、出勤前に近所のみんなと雪かきです。

「おう、おはよう。早いね〜」
「降ったなあ。でも昼は晴れるから解けっぺ」
「最近仕事忙しそうだな〜、無理すんなよ〜。」
ひとりだと大変だけど、近所のみんなと一緒にやる雪かきは、あっという間。
わたしは近所のみんなと過ごす、このなにげない時間がすきです。

●けあらし
さむーい朝、浜にいくと。

気嵐です。ピーンと張ったさむい空気の中で、とっても神秘的。
だれもいない浜で、沖の方では船のエンジン音が響いていて。
浜をひとりじめ。
早起きのごほうびです。

●干物づくり
この寒い時期だからこそできる寒風干し。
お魚やお野菜、くだものをたくさんいただいたときやすぐに食べられないときは干して保存食に。


いわしを干して煮干しに。

こちらは切り干し大根。

秋にみんなで仕込んだ干し柿もおいしくできました。

これもぜんぶ、地元のばーちゃんたちに教わった技です。

●御崎神社どんと祭
冬の唐桑の風物詩「どんと祭」
1年間、家の神棚にお供えしていたものや御守りなど感謝を込めて燃やすんです。
たしかに東京にいるとき、御守りとか毎年増えていってどうしたらいいかわからなかったけど、この行事があるから安心です。笑
毎年1月15日前後の週末にあって、朝、御崎神社まで歩いていきます。
神社にいくと、もう火入れが始まっていて、さむーい中で火にあたる幸せ…♡

地元のひとたちにも会って、新年のごあいさつをしたり。もちろん神社にお参りも。

そしてこの御崎神社どんと祭では、「はじき猿」という伝統工芸品を売っています。

これ、全部手づくり。木から切り出し、竹を削って、折り紙切って、、、
ぜーんぶこの職人さんたちの手づくりなんです。

これぞ、まさに職人たちの手しごとってやつですね。
でもこのはじき猿、昔は唐桑でも20〜30軒のおうちでつくっていたそうですが、いまは3軒のみ。後継者もほとんどいません。
唐桑中学校の授業で習ったりもしてますが、なかなか熟練の技が必要なもので伝えるのは簡単じゃないようです。
ながーい歴史の中でずっと培われて、つながれてきた技が、なくなってしまうかもしれないこと。なんとかならないのかなあ…

そんなことを考えながら過ごしていたら、
いつの間にか、ばっけ(ふきのとう)が芽を出してたり。
磯の開口(海藻を採っていい日)があったり。
春の訪れを感じることも少しずつ増えてきて、とってもうれしいきもちと、なんだかちょっぴりせつないきもちと。

そろそろ、東北の長い冬が明けそうです。

(Emma)